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2010年12月 アーカイブ

鳥類と哺乳類の睡眠 2

脳波のなかにデルタ波がたくさんみられて、身体の動きがなく、筋肉がかなり弛緩しているけれども、すこしだけ緊張が残っているような状態・・・


この状態が、徐波睡眠またはノンレム睡眠です。


それにひきかえ、筋肉が非常に緊張していて筋電図の電圧が高く、脳波にはデルタ波がなくて、低振幅・高周波数の速波が出現しているような状態が、覚醒です。


このさい、身体の動きがあるばあいと、ないばあいとがあります。


いっぽう、覚醒のときのような脳波がみられ、筋肉の弛緩が非常にいちじるしく、筋電図上の変化がほとんどなく、ときどき短い急激な変化が現れ、同時に小さな体動が記録できるような状態・・・


これが、逆説睡眠あるいはレム睡眠です。


動物で脳波睡眠を計測するとき、注意しなければならないのは、動物の生活環境を厳密に制御することです。


飼育室の給餌、温度、湿度、羽根 布団の有無、明るさ、明暗リズムなどの制御はもちろん、外からの騒音、匂い、電磁波なども遮断しなければなりません。


実験者が近づくことも最小限度にとどめなければなりません。


メス動物を使うときは、性ホルモン分泌によって行動が変化しますから、性周期のどの時期にあるかをモニターしておくこともたいせつです。

睡眠調節の場

眠りは体外からのなにか神秘的な不可抗力によっておこると考える時代にあって、古代ギリシアの医学者ヒポクラテスは、意識は脳によって伝えられる、と説明しました。


脳を休息させるのが睡眠の大きな目的です。


睡眠調節を実行するのも脳なのです。


けれども、「眠る脳」と「眠らせる脳」とは、同一ではありません。


主として眠る脳とは、進化のうえでもっとも新らしい大脳の部位のことです。


大脳を眠らせるために、脳自身は複雑な神経回路を構築しました。


そのつくりはあまりにも複雑で、いまだにじゅうぶん解明されておりません。


睡眠調節にかかわる脳部位(睡眠中枢)が脳の特定の部位にあることは、古くエコノモという人が記しております。


この考えは、基本的には、今日でも当てはまります。


しかし、睡眠調節にかかわる脳部位は、一カ所ではありません。


高級 羽毛 布団での睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠との二種類があり、それぞれが別の脳部位で調節されているようですから、その相互関係もこみいっています。


それに、睡眠中枢は、とうぜんのことながら、生物時計・体温調節・食欲調節などにかかわる脳部位とも
密接な関連をもっています。


また、筋肉を弛緩させたり、呼吸や心拍を抑える神経機構とも密接な関連をもっています。


これらの微妙なからみあいを解析することが、現代の神経科学の大きな課題となっているのです。

甲状腺機能低下症の不眠

甲状腺製剤は、今まで通りに服用を続けるよう指示しました。


不眠は間もなく解消しました。


寝具を羽毛 掛け 布団にするなど、工夫したこともあるでしょう。


しかし甲状腺製剤を一生飲みつづけなければならない、ということが気になって、やはりゆううつになってしまうということです。


食欲もあり、日常生活にほとんど支障はなくなったのですが、将来に対する漠然とした不安感がなかなかとれませんでした。


3ヶ月間位抗うつ剤と抗不安薬を投与したところ、外見的には全く元気になり、家事以外にもテニスを習ったり、ダンスの講習会に出席したりするようになりました。


不眠も全くなくなり、甲状腺のこともあまり口にしなくなってきました。


が、カゼをひいたり、下痢をしたりして体調をくずすと、すぐに不安感が出現してきます。


結局この患者さんは、甲状腺機能が全く正常になり、実際には何の心配もないのですが、時々は不安と抑うつ症状が出現しています。


現在も症状が出現した時だけ、少量の抗不安薬を投与しています。


甲状腺機能充進の治療によって起った甲状腺機能低下をきっかけとして、抑うつ状態が生じてきたのです。


症状の経過からみますと、本人の性格がかなり問題となっています。


その意味からは神経症的なうつ病とも考えられます。

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